シンプルなアイデアが勝者に　Xprizeカーボンリムーバー大賞受賞技術

Contents

概要
ポイント
詳しい記事の内容はこちらから
- 参照元について

概要

Xprizeカーボンリムーバル競技の優勝者は、シンプルなアイデアである「強化岩風化」を用いたMati Carbonだった。
この技術は、岩石を粉砕し表面積を増やすことで二酸化炭素を安定な鉱物に変換し、農地に散布して土壌に炭素を固定する仕組みだ。
火山性の玄武岩を用い、コストは寄付金やカーボンクレジット収入で賄われている。
2025年には約5,000〜6,000トンのカーボンクレジット販売を見込み、2030年代初頭には1トンあたり100ドル未満を目指す。同時に、クレジットの検証にはサンプル採取と解析を行い、精度向上を図る。
この方法は、世界の小規模農家に恩恵をもたらす可能性が高く、約2億人の小規模農家とその土地約8億haに適用できると見積もられる。
土壌改良により生産性や水保持力が向上し、旱魃にも耐えられる農地になることが示された。
しかし、普及拡大には課題もあり、Matiは無料ライセンスを提供し、利益の半分を農家に還元する仕組みを計画している。
また、インド、タンザニア、ザンビアを中心に展開し、他のアフリカやアジアの国々へ拡大を目指す。
Matiは営利企業ながら、非営利団体Swahili Initiativeが運営し、規模を拡大しながら農家の利益を重視する仕組みを構築している。
この取り組みは、シンプルな技術と社会的インパクトを両立させる新たなモデルとして注目されている。