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ブテリン氏が警告する、サム・アルトマンのデジタルIDのプライバシーリスクとは

概要

イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、サム・アルトマン氏が推進するデジタルIDプロジェクト「World」のプライバシーリスクについて懸念を示しています。

Worldは、ユーザーの虹彩をスキャンし、ブロックチェーン上で一意のIDを作成することで、AIと人間を区別することを目指しています。

ブテリン氏は、ゼロ知識証明を用いたこのアプローチが、ソーシャルメディアや投票などのインターネットサービスの操作を防ぐ可能性があると認めつつも、個人ごとのIDシステムが重大なリスクを生むと指摘しています。

具体的には、複数のアカウントを持つことで擬似匿名性を保つ現実世界の状況に対し、個人ごとのIDシステムはすべての活動が単一の公開IDの下で行われる世界に近づく可能性があると述べています。

さらに、米国政府が学生や学者のビザ申請者にソーシャルメディアアカウントの公開を求めるなど、個人情報の開示が強制される事例を挙げ、デジタルIDがプライバシー侵害のリスクを高める可能性を示唆しています。

ブテリン氏は、政府やオンラインサービスがユーザーのプライバシーを侵害せずに人間であることを確認する方法として、「多元的アイデンティティ」のアプローチを提唱しています。

このアプローチでは、個人、機関、プラットフォームなどの単一の発行主体が存在せず、複数のアイデンティティシステムを組み合わせることで、プライバシーとセキュリティのバランスを取ることが可能となります。

ブテリン氏は、現在の「個人ごとのID」プロジェクトが、ソーシャルグラフベースのアイデンティティと統合されることが理想的な結果であると考えています。

ポイント

  1. ビタリック・ブテリンは、Worldプロジェクトのプライバシーリスクを指摘した。
  2. 一人一つのIDシステムは、個人の活動を公開するリスクを伴う。
  3. ブテリンは、複数のアイデンティティを持つ「多元的アイデンティティ」を提唱している。

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