概要
コペンハーゲンのベルラ・センターが満席となる中、Lovableの共同創業者 Anton Osikaが登壇し、AIを活用したコーディング支援アプリの最新動向を語った。Lovableは、プログラミング未経験者でもアプリやウェブサイトの構築を可能にするプラットフォームであり、AIによるコード生成を容易にする「バイブコーディング」分野の代表例だ。わずか8ヶ月で1億ドルのARR(年間収益)を突破し、評価額は18億ドルのユニコーン企業へと成長した。投資家も次なるシリーズB資金調達を期待しているが、Osikaは引き続き自社のペースを優先している。彼は、Lovableを「最良のソフトウェア開発プラットフォーム」とし、創業者やユーザーにとって全工程をサポートする場にしたいとビジョンを示した。6月にはファイル読み取りやエラー修正支援などを行うエージェントをリリースし、同社の未来を見据えている。現在、登録ユーザーは2.3百万人を超え、そのうち180,000人が有料会員となっている。Osikaは、AI生成コードはデモ用途に適しているとしつつも、レビューは必須だと述べている。LovableはAnthropicのClaudeやOpenAIのGPT-5を基盤に運用し、複数のAIモデルを融合させることで競争優位性を確保している。彼は、基盤モデルの多様性が他者よりも柔軟性と能力の拡大をもたらし、「迅速・安全・使いやすさ」の3要素を追求して競争を勝ち抜くと語った。FigmaのIPOに触れ、「ユーザー第一の製品開発が重要」とし、欧州市場に根ざすLovableは、引き続きその価値観を保ちながら成長を目指す。スタータップエコシステムの活性化に貢献する成功例として、OsikaはNordic地域の人材と起業精神の強さを示し、「小規模ながらもグローバルに挑戦できる」と語った。
ポイント
- LovableはノーコードでアプリやWeb制作を支援し、2023年時点で年間売上が1億ドル超を達成。
ユーザビリティとAI技術を融合させ、多様なモデルを活用して高速・安全なサービスを提供。 - 同社はAnthropicやOpenAIの基盤モデルを使用しつつ、競合からの侵害リスクに対して柔軟性を保つ戦略を展開。
最適な製品開発を重視し、ユーザー信頼獲得と成長継続を目指している。 - Lovableは欧州本拠を維持しつつ、欧米の投資やスタートアップエコシステムとの関わりを深める考え。
ローカル人材と世界市場への挑戦によって、北欧の革新を牽引しようとしている。


