概要
先週、予測市場スタートアップのKalshiは、ニュージャージー州とネバダ州を提訴した。
同社は新たに開始したスポーツ取引事業を州が停止させようとしたためで、連邦規制プラットフォームであるため州の権限が及ばないと主張している。
KalshiのCEOタレク・マンスールは、州法は適用されないと述べ、訴訟に自信を見せた。
勝訴すれば、スポーツ賭博の巨大市場での地位を確立できるが、州規制当局と連邦政府の対立を招く可能性もある。
Kalshiは昨年、商品先物取引委員会(CFTC)との訴訟にも勝利し、2024年政治選挙を対象に10億ドル超の取引を可能にした。
今年1月にはスポーツイベントの予測市場に参入し、賭博が違法な11州を含む全国でサービスを展開。
しかし、スポーツ賭博が合法な6州から運営停止命令を受け、州当局はライセンス不足や課税問題を指摘。
マンスールはCFTCのライセンスを根拠に反論し、カジノ業界の圧力が背景と主張した。
3月にはネバダ州訴訟で一時的な運営継続を認める判決を獲得。
予測市場は新しい金融商品で法的位置付けが不明確だが、Kalshiはこの曖昧さを活用し、幅広いイベントを取引対象としている。
同社はトランプ政権との関係も深く、ドナルド・トランプ・ジュニアを顧問に迎え、元取締役がCFTC長官に就任。
マンスールは政権を「革新重視」と評価したが、依存関係を否定している。
予測市場が賭博かどうかが法的争点で、マンスールはデリバティブ取引所に近いと主張。
TikTok禁止法の予測市場を例に、従来評価不能なリスクを「価格化」する有用性を強調した。
PitchBookによるとKalshiの最新評価額は7億8700万ドル。
スポーツ賭博市場での地位確立で、さらに価値が上昇する可能性がある。
ポイント
- Kalshiはニュージャージー州とネバダ州を提訴し、州の規制権を主張。
- 州のギャンブル規制機関はカリシに対して活動停止命令を出した。
- カリシは予測市場の合法性を争い、トランプ政権とのつながりも注目されている。


