概要
約1年前、GMはテスラのスーパー充電器で既存の電気自動車がNorth American Charging Standard(NACS)を使えるアダプターを販売し、EV所有者に新たな充電の自由をもたらした。
その後、GMはさらに3つの追加アダプターを発表し、異なる充電規格やレートに対応できるようにしたが、これにより複数のアダプター所有が必要となり、シンプルさは損なわれる可能性がある。
米国のEVはかつて主にCCS標準を採用していたが、2022年にテスラがNACSを導入し、多くの自動車メーカーがアダプターや自社車両へのNACS標準採用を進めている。
GMも「ほぼ全てのEVをNACSに移行する」と表明しており、これは顧客にとって充電体験の簡素化につながるとしている。
しかしながら現状では、例えばNACSとCCS間のアダプターに加え、レベル2や高速充電用の追加アダプターも必要となり、家庭以外の場所での充電は複雑化するリスクもある。
また、アダプターの価格は200ドル以上と高価で、所有者は予備を携帯したり、複数購入したりする必要が出てきている。
この複雑さはGMだけの問題ではなく、Hyundaiなども複数アダプターを販売しており、充電標準の移行が公共充電で混乱を招いている兆候でもある。
現在は主に自宅や職場での充電が多いため大きな混乱は少ないが、長距離や公共の充電では問題が顕在化しやすい。
そのため、ドライバーはアダプターを車に常備し、必要に応じて複数用意することが求められるが、移行にはまだ時間がかかる見込みだ。
標準規格の変化は過去の電子機器と比べて遅くはなく、車は高価で長期間使われるため、アダプターの増加やコスト上昇は避けられない状況となっている。
ポイント
- GMは新たに3種類の充電アダプターを販売し、多様な充電標準へ対応強化を図る。
- NACSは多くの自動車メーカーが採用し、統一標準化に向けて動き出している。
- アダプターの台頭で充電の複雑さやコスト増、移行期間の混乱も予想される。


