概要
米国とインドの8つのベンチャーキャピタル・プライベートエクイティ企業は、インドのディープテックスタートアップを支援するために「India Deep Tech Investment Alliance」を結成し、今後10年間で10億ドル超の資金供給と支援体制を構築することを約束した。
このアライアンスは、長年の資金不足や政策課題に対応し、インドの深層技術分野のスタートアップに長期資金を投入し、企業の成長と市場拡大を促進する狙いがある。
従来は投資家は個別の案件ごとに共同出資を行うか、非公式の協力関係にとどまっていたが、今回は明確な連携枠組みと長期的な資金コミットメントを示した点で異例である。
メンバー企業は、Celesta Capital、Accel、Blume Venturesなど八つで、各企業は5〜10年の期間にわたりインドの深層技術系スタートアップに資金を投じる予定だ。
インド政府のRDI(研究開発・イノベーション)予算約11億ドルの schemeも背景に、国内拠点の設立と制度利用を促進し、現地創業の技術企業の育成を狙っている。
資金提供だけでなく、メンバーはメンタリングやネットワーク支援も行い、ポートフォリオ企業のインド市場進出も支援する計画だ。
この動きは、インドがAI、半導体、量子、ロボティクス等の最先端技術のハブとして発展を目指す中で、米国との戦略的協力を強化する狙いもある。
一方、米印の地政学的関係は緊張感も漂わせるが、共同の投資戦略は両国の長期的な技術協力を模索する現実的なステップと見なされている。
このアライアンスはインドのディープテック産業の可能性を高めつつ、今後の協力や資金拡大の展望も広げており、長期的な経済発展と技術革新に向けた重要な取り組みと位置付けられる。
ポイント
- 米印VCやPEが連携し、深層技術スタートアップに対して今後10年で10億ドルを投資する協定を結んだ。
- この協力は長期的な資金供給やメンタリングを通じて、印度内の深層技術企業育成と投資環境を強化する狙いがある。
- 政治的緊張の中でも、双方の政府と連携し、インドを最先端技術のハブとして成長させることを目指す取り組みである。


